作品
経歴
論文
Yo Ota 実験映画作家:太田 曜
作品|DISTORTED MOVI SION

■DISTORTED MOVI SION
ディストーテッド“テレ”ヴィジジョン
1997年/カラー/サウンド/11分
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 私達がものを見る仕組みの半分以上は頭で考えるということだ。つまり、視覚を通して世界を理解するということだ。そのことは、視覚が知識や経験に成り立っているということでもある。透視遠近法は、絵画という二次元の世界に、三次元を表現する約束を決めた。映画も又、二次元のスクリーン上にあるものは、四次元の時空間であることの契約を、観客と交している。この映画で私は、契約書の中味にちょっとした変更を加えたかった。

 映画を見る“行為”の中には、現実をカメラと映写機で記録再現したものがスクリーン上に投影されているのだという“前提”を受け入れる姿勢が含まれている。その姿勢を映画を成立させている制度と言っても良い。

 この映画では、ムービーとヴィジョンの両方歪んでいる。 DISTORTED VISION は乱視の意味だが、これは乱視の映画ではない。現実の視覚世界をスクリーン上に“再現”するのが映画なのか?そのような思い込みはこの映画を見ることで歪められる。


作品|DISTORTED MOVI SION
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