作品
経歴
論文
Yo Ota 実験映画作家:太田 曜
作品|INCORRECT INTERMITTENCE

■INCORRECT INTERMITTENCE
2000年/パートカラー/サウンド/6分
サウンド:山崎 修
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 ワンカットワンシーンのなかで展開する錯綜的時間経過。カメラが廻り始めてから止まるまでシャッターは連続的に押される。つまり、フィルム上には連続的に撮影された一コマ毎の画像が、規則的に並んでいるはずだ。しかし、それら、撮影された一コマと一コマの間で経過した時間は必ずしも規則的に連続していた訳ではない。規則的に連続していた部分もあれば不規則な場合もある。

 一方、このように撮影されたフィルムでも、それを再生する映写機は、通常一コマと一コマの間を不規則に送るようにはなっていない。そのためスクリーン上には、撮影時とは異なった時間経過が現われる。

 一旦カラーネガフィルムで撮影されたこの元の映像からは、カラーとモノクロームの二本のラッシュが取られた。そのカラーかモノクロームか以外には全く同じ二本のラッシュは、完全に数学的規則性による間欠/断続によって編集された。全長約6分、8064コマのフィルムは正確に三分割された。最初の2688コマはカラーの部分が336コマ、モノクロームが112コマ厳密に繰り返される。次の2688コマではカラーが168コマ、モノクロームが56コマ、最後の2688コマはカラーが84コマ、モノクロームが28コマ、それぞれいずれも誤ってはいないかもしれない間欠/断続で現われる。編集されたラッシュがJKオプチカルプリンターで再撮影され、最終的な上映プリントが作られた。

 こうして制作された映像が、映画として現われるスクリーンの上の画面では、誤った或いは正しい間欠/断続によって作られる見かけの動き(仮現運動)があるだけだ。

 ここで行なったことを間欠/断続(intermittence)の誤り(incorrect)と見るか、映画的時間操作と考えるかは、映画を現実の記録再現を元にした複製技術による表現ととらえるか、映像によるスクリーン上の造形と考えるかとも関わっているのかもしれない。


作品|INCORRECT INTERMITTENCE
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